クロスファイア

 


 この映画は、宮部みゆき作の同名小説が原作です。この原作の「クロスファイア」は、短編集「鳩笛草」の中に収められている「燔祭」の続編的作品となっており、宮部みゆきの小説の中ではお初シリーズでも見られる長編昇格モノです。

 さて、「クロスファイア」に前作が有ると言う事は、いきなり映画で前作の「燔祭」を無視してストーリーを展開する訳にはいかないだろうが、どうやって観客に観せるのだろうか、が1つの注目点でした。

 あ、そう言えばこの映画の監督は僕の大好きな平成『ガメラ』シリーズの金子修介監督ではないですか。『ガメラ』で物凄く格好良い「炎」を見せてくれたこの監督、主人公がパイロキネシスによって炎を扱うだけに、その辺りの期待も大きかったです。

 

 う〜んとですね、映画を観た感想なのですが、物語は「燔祭」と「クロスファイア」を実に見事に掛け合わせていたと思います。それは良かった。炎の描写もさすが!です。が、まー、原作モノの宿命と言うか、そこまで止まりの作品でしたね。クライマックスに、原作には無い大スペクタクルが用意されていたのは、明らかに映画的演出ですね。魂胆が見え見えでいただけない。オチは「燔祭」の名場面の映像化だったので、ちょっと嬉しかったです。

 

 しかし僕は原作と映画を随分と比較してしまう性格なんだなぁ。それも1つの楽しみ方ですよね。勘弁してください。

 

 そういえば、NHKで「RPG」がドラマ化された時、石津ちか子と武上悦郎は誰が演じたのでしょうね。桃井かおりと平泉成だったら完璧だったろうに。

 

2000年6月?日鑑賞 


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